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Friday, January 8, 2021

音楽②:2020年紅白歌合戦の感想後編~嵐のすごさと表情が伝えてくれるもの~

 こんばんは。本日もどこにも行けなかった大晦日にみた紅白歌合戦について書かせていただきます。

今回の感想は表情の大切さについてです。音楽とは当然耳で聴くもので、私自身は基本的にあまりテレビを見ない人間なので、ライブを見に行くことは好きですが、音だけ聞いているということが多いです。今年久しぶりにテレビで、しかも家から出られないので大きいテレビを買って紅白を見ていました。

紅白を見ていて、そのテレビに大きく映しだされたアーティストの表情にものすごく惹きつけられました。中でも一番惹きつけられたのは嵐でした。

嵐は2020年をもって活動休止となるため、休止前の大仕事ということもあり、歌に入る前のMCでもこれまでの20年近い歩み、これまでの苦労や、この1年間の苦しみ、そいうものも含めて自分たちの人生だ、活動だ、それを乗り越えてまた明日以降に向かっていくということをメンバー全員が万感の思いを胸に抱き、メッセージとして語っているのを見て、とても感動しました。言葉にも力が入っていましたが、メンバーのその目の力の語るものの大きさに、思いの強さを感じました。

普段は音しか聴かず、基本的にはライブに一体して音楽番組をテレビではみない私ですが、表情がよく見えることでこんなにも感動するものかと、心打たれました。

私は30代の男性で、世代的にカラオケでLove so sweetとは歌っていたものの、そこまで嵐のファンというわけではありませんのでわかっていませんでしたが、これだけ強く人の心に訴えかけられる嵐だからこそ、日本のエンターテイメントの頂点にたてるのかということを思い知らされました。

もう1つ嵐がすごいと思ったのは、まじめに苦悩やそれを乗り越えようという意思、未来への希望や夢を語った後、3曲目のHappinessではちゃんとアイドルらしく笑顔と多幸感にあふれたステージを見せてくれて、悲しいまま終わらせなかったことです。メンバーの明るく楽しそうな笑顔でこちらまで楽しくなるようなステージを見せてくれたので、正真正銘のトップアイドルだということを思い知りました。

コロナの影響で音楽をライブで楽しんだりすることはできなくなりましたが、こうして画面越しに表情がよく見える環境で楽しむ音楽もよいものだなと、価値観を変えてもらったような気がします。



Thursday, January 7, 2021

音楽①:2020年紅白歌合戦の感想前編~全体を通して~

今年の大晦日はコロナでどこにも行けず、何年かぶりにちゃんと紅白歌合戦を見たのでその感想を書いてみます。

今年の紅白歌合戦は、コロナの影響により初めてスタジオに観客を入れないで放送するということに挑戦しなければならず、例年にない状態でした。

そういう大変な状況の中であったということはありますが、緊急事態宣言がだされた3月以降の期間も含め、この1年間準備できたということを考えると、100点中60点くらいかなあという感想です。以下評価できる点とできない点をそれぞれ述べていきます。

まず評価できる点としては、音楽を通して世間に前向きなメッセージを伝えようとする姿勢です。今回の紅白今年ヒットした歌手以外にも玉置浩二に田園をうたってもらう、松任谷由実等を呼んで守ってあげたいをうたってもらうという構成は、ライブやフェスが開催できない昨今の環境にあっては良かったのかと思いました。

田園の生きていくんだ、それでいいんだという歌詞の前向きなエネルギーは今苦しい環境にいる人に力を与えてくれる素晴らしい歌詞だなと改めて感じました。


一方、評価できない点としては、これは評価できる点との裏返しで、メッセージのテーマがが現代社会の問題にピントが合ったものになっているのか、正直なところ疑問という点です。オオトリの福山雅治さんの家族になろうよという歌は、タイトルの通りごく一般的というか、ステレオタイプな家族をテーマにしたものだと感じています。

一方でコロナの影響で今特に苦境に追い込まれているのは派遣社員で働いていたひとり親の家庭であったり、虐待を受けるのに行き場所がない子供たち、ステレオタイプな一般的な家庭像にない環境にある人たちなのではないかと思います。

コロナ前後の日本社会を見ると、右翼・左翼、PCR検査拡大派・現状維持派、安倍政権支持派・反対派といった考え方の違いによる対立構造がかなり顕在化してきたことにあるのではないか、そこが社会的に非常に大きな問題点なのではないかと思っています。

メッセージを送るのであれば、こういった今苦しんでいる人々、社会の分断に対してのメッセージがよかったのではないか、難癖つけているようにもなってしまいますが、そのように感じました。

もう一点評価できない点としては、歌でメッセージを伝えようとする構成にはなっているものの、MC二人が観客がいない分を盛り上げようと頑張って空騒ぎしすぎになってしまい、歌に込められたメッセージや、背景等の重要な情報や空気感をうまく演出できなかったことにあるのかと思います。落ち着いた曲の終わりに歌が終わり、余韻とともに拍手がおこるというようなシーンは今回では全く見られなかったり、何かよいエピソードがMCから聞けたりというようなことがなく、曲が終わるとすぐにMCが騒ぎ出すといった印象でした。

観客がいない中、内村光良さん、大泉洋さんの盛り上げがあっての楽しい空気間でしたので、良い面もありつつも、ちょっと残念だなという印象が強かったです。

全体を通してのメッセージ性はいまいちと感じましたが、メッセージ性という観点でいうと、アーティスト単体では星野源さんの「うちで踊ろう」が抜群に優れていたと思います。

うちで踊ろう大晦日バージョン歌詞:

嘲り合うのをやめよう、一人でご飯を作り、お風呂に入り、あきらめて一人で生きていき、一人胸の内で踊ろう。でも音楽でつながり合おう。

まさに政治や経済を理由に人々の間で分断や対立が加速し、それがSNSという電子空間で顕在化する、一方でコロナによって人々が孤立し触れ合いが減っていく社会に、音楽が果たすべき連帯しようというメッセージを伝えている歌だと思います。この歌詞を見たときは本当に震えました。

メッセージ性を求めるのであれば、こういう社会の現状にピントがしっかりとあったメッセージを番組構成、MCでも引き立てたり、もっとはっきり伝えてもらえれば、よりよい歌番組になったのかなと思います。

そもそも、男女を紅白に分けて競い合うというコンセプトがあまりにも古く、時代遅れなものなので、こんなことをいうのも筋違いのような気がしないでもありませんが、今こういう時期だからこそ、影響力のある歌番組への期待も込めて、批判的な感想を書いてみました。

長文を最後までお読みいただきありがとうございました。

後編も作成予定ですので、よろしければそちらもお読みください。